日本は江戸時代後期、田沼意次が側用人になったころである。このころ、ヨーロッパは七年戦争の真っただ中であった。七年戦争は、18世紀最大の戦争であり、舞台はヨーロッパにとどまらず、インドやアメリカ(新大陸)まで巻き込んだ戦争となった。
続きを読むセンター試験の過去問を解いてみた。2019年度本試験 4BC
問4
下線部④(漢代)の時期に起こった出来事として述べた文として正しいものを選べ
① 呉楚七国の乱がおこった。
〇 → 呉楚七国の乱の鎮圧により、武帝の全盛期が始まる。
② 三省六部が設けられた
× → 律令制の政治システム。律令制が整備されたのは8世紀の唐王朝の時代である。
③ 土木の変がおこった
× → 明王朝時代の事件。15世紀半ば、北方の騎馬民族。モンゴル系のオイラトが全盛期に北京を包囲した事件。
④ 八王の乱が起こった。
× → 魏晋南北朝時代の事件。晋王朝が滅亡し五胡十六国時代に入るきっかけ
問5
下線部⑤(経典)に関連して、中国の学問や文化について述べた文として正しいものを選べ
① 顧炎武が、陽明学の基礎を築いた。
× → 顧炎武が、考証学の基礎を築いた。
陽明学は、15世紀初頭(明代後期)に成立したが学問。12世紀(宋代)に成立した朱子学を批判。心のままに実践を行う(知行合一)を重視した。17世紀に成立した日本の江戸幕府に大きな影響を与えた。
顧炎武は、17世紀初頭(明代から清代への転換期)の儒学者。事実に基づく実施研究を重視した。清王朝は、危険分子である陽明学の代わりに考証学を重視した。
② 韓愈が、四六駢儷体の復興を唱えた。
〇 → 韓愈が、四六駢儷体を批判し、古文の復興を唱えた。
四六駢儷体は、六朝文化(5-6世紀、魏晋南北朝時代)に流行した漢詩の技法。韓愈は、唐代中期(8世紀)の漢詩の作者。李白、杜甫、白居易らの時代の漢詩の作家。四六駢儷体による形骸化を批判し、漢代のころ漢詩技法を重視した。これを古文復興運動という。
③ 『四庫全書』が、明朝で編纂された。
× →『四庫全書』が、清朝で編纂された。
④ 四書が、朱子学で重んじられた。
〇
四書とは、五経(漢王朝の武帝の時代にまとめられた儒教の考え方)の解説書。宋王朝の時代にまとめられた。この時期に流行した朱子学はこれを重視した。
ちなみに、四書をまとめた『四書大全』は、明王朝の永楽帝の時代に編纂された。
問6
下線部⑥(祭祀)に関連して、宗教や信仰について述べた文として正しいものを選べ
① 雲崗に、道教の石窟寺院が築かれた。
× → 雲崗に、仏教の石窟寺院が築かれた
② 神聖ローマ帝国で、ミドラ教が流行した。
× → ローマ帝国で、ミドラ教が流行した。
ミドラ教は、3世紀、キリスト教公認前(軍人皇帝時代)のローマ帝国で流行した。
③ レオン3世が、聖像禁止令(製造崇拝禁止令)を発布した。
〇
レオン3世の8世紀前半のビザンツ皇帝。イスラム勢力ウマイヤ朝の侵攻を受け、聖像禁止令を出した。これにより、ローマカトリックと分裂。8世紀末のカールの戴冠につながる。
④ カザン=ハンがユダヤ教を国教とした。
× → カザン=ハンがイスラム教を国教とした。
カザン=ハンは、13世紀末の中東イル=ハン国(モンゴル4ハン国の1つ)の王である。イスラム教を国教化することでアラブ人やペルシャ人の支持を集めた。
問7
下線部⑦(太陽崇拝)について述べた次の文の正誤を判断せよ
a 古代インドで、太陽神ラーが信仰された
× → 古代エジプトで、太陽神ラーが信仰された。
古代エジプトは、太陽で暦を見ていた。(太陽暦)そのため、古代エジプトは太陽信仰が始まった。
古代インドでは、バラモン教が信仰されていた。
b インカ帝国で、皇帝は太陽の化身(太陽の子)とされた。
〇
問8
下線部⑧(スペイン)のアメリカ大陸進出について述べた文として正しいものを選べ
× → コルテスが、アステカ王国を征服した。
コルテスが、中米メキシコのアステカ王国を征服した後、ピサロが、南米ペルーのインカ帝国を征服した。
② ラス=カサスが、先住民の救済に努めた。
〇 → ラス=カサスは、スペイン人の宣教師。スペイン人の先住民に対する非道な行為を非難し、先住民の救済に努めた。
③ ポトシで、ダイヤモンド鉱山が開発された。
× → ポトシで、銀鉱山が開発された。
16世紀の大航海時代、2つの銀鉱山が開発された。1つは、新大陸(アメリカ)のポトシ銀山と日本の石見銀山である。どちらも、環太平洋造山帯にある。
ちなみに、金鉱山は、1840年代のカリフォルニアのゴールドラッシュ、1850年代のオーストラリアのゴールドラッシュ、1890年代のアラスカのゴールドラッシュが有名である。
ダイヤモンド鉱山は、ゴールドラッシュと同じ19世紀広範の南アフリカの鉱山が有名。南アフリカ戦争のきっかけとなった。
④ オランダとの間で、トルデシリャス条約が結ばれた。
× → ポルトガルとの間で、トルデシリャス条約が結ばれた。
トルデシリャス条約は、コロンブスが新大陸(アメリカ)を発見した2年後1494年に締結されたスペインとポルトガルが締結して大航海に関する条約。これにより、トルデシリャス条約の東にあったブラジルはポルトガル領になった。
一方、オランダ独立宣言が出されたのは、トルデシリャス条約締結の74年後である。
問9
下線部⑨(第二次世界大戦)の終結以前に起こった出来事として正しいものを選べ
① 第1回先進国首脳会議(サミット)が開催された。
× → 1970年代、オイルショック(第四次中東戦争)対策のために開催
② アフリカ統一機構(OAU)が結成された。
× → 1960年代、60年のアフリカの年(フランスのド・ゴール大統領)の3年後に結成。
③ ドイツ軍が、スペインのゲルニカを爆撃した。
〇 → 1930年代、スペイン内戦時の出来事。スペイン内戦は第2次世界大戦の前哨戦
④ トルーマン=ドクトリンが発表された。
× → 1940年代後半、冷戦のきっかけの1つ。